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- アロマテラピーの歴史
【アロマテラピーの歴史】
アロマテラピーの歴史は大変古く、紀元前3,000年頃の古代エジプト人は化粧や医療のためにエッセンシャルオイルを既に使っていました。特にマスカラや髪の毛を染めるヘナなどのように化粧品としての利用が多く、その頃使われていた化粧品を入れる華やかな入れ物が今でも博物館などで見る事が出来きます。香料を含む線香を焚いたり、良い香りのする油を体に塗ったり、宗教儀式にも使われ、他にもミイラを作る時の防腐・殺菌剤としてシダーウッドやニッキが利用されていました。紀元前2,800年頃パピルスに書かれたハーブの薬効書にはミルラやペパーミント、シナモン、シトロネラ、ジュニパー、ショウブ、カシアなどのハーブについて書かれていてキフィ(Kyphi)という香料にはこれらのハーブが使われていたといわれています。また、ヘブライ語の旧約聖書にはシバの女王がソロモン王にいろいろな香料を贈ったという記述があり、紀元前300年頃には現代医学の父ともいわれるギリシャのテオプラストスが多くのハーブを体系的にまとめた書物を残しています。
インドや中国ではハーブを漢方として利用していた
インドや中国のようなアジアでもアロマテラピーは古くからありましたが、中東・ヨーロッパのような香りとしてのアロマテラピーというよりハーブや漢方という植物の薬効に注目した使い方が主流でした。アーユルヴェーダのマッサージにはエッセンシャルオイルを使う事が多いのですが、これはアーユルヴェーダの理論に基づいてそれに合ったエッセンシャルオイルを使うようになったもので、アーユルヴェーダに昔からあったものではありません。エッセンシャルオイルをマッサージに利用する方法を広めたのは生化学者マルグリット・モーリーで美容や癒しの為のアロマテラピーを確立したのもこの人です。
ヨーロッパで多くの研究が行われ発展した
17世紀のイギリスではジョン・ジェラード、ニコラス・カルペッパーおよびジョン・パーキンソンなどの学者によってより深くハーブの研究が行われ、17世紀後半には、イタリアのジョヴァンニ・パオロ・フェミニスがベルガモット、ネロリ、ならびにラベンダーやローズマリーなどのハーブや薬草を付け込んだ水を「素晴らしい水」という意味の「オーアドミラブル」と名付けました。18世紀にはその「素晴らしい水」をドイツのヨハン・マリア・ファリーナが商品化して後にオーデコロン呼ばれるようになりました。もう1つ有名なのがハンガリーのエリザベート王妃にちなんで名付けられた「ハンガリー水」で「若返りの水」とも呼ばれローズマリーを含むこの水をエリザベート王妃は体に塗ったり飲んだりして70歳を過ぎてもとても健康的であったと言われています。
アロマセラピーに関する本格的な専門書はフランス人化学者のルネ・モーリス・ガットフォセによって出版され、その著書の中で初めて芳香の「アロマ」と療法の「テラピー」を使ったアロマセラピーという造語が使われました。そして、ホリスティックな分野を通してアロマテラピーを広めたマルグリット・モーリーはエッセンシャルオイルを薄めて身体に塗ってマッサージするトリーメント法を開発しました。1961年に「Le Capital-Jeunesse」というフランス語の原書が出版されましたがその時はあまり評判は良くなく、1964年にそれを英訳した「The Secret of Life and Youth」がイギリスで高く評価され、その後 世界中に広まり現在のアロマテラピーの基礎となっています。