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エッセンシャルオイルってなに? Part 1「アロアテラピーの基礎知識 第2回」
エッセンシャルオイルってなに? Part 1「アロアテラピーの基礎知識 第2回」
エッセンシャルオイルってなに?
エッセンシャルオイルとは、植物から抽出された100%天然のエッセンスで、植物の中から芳香成分のみを抽出したオイルは沢山の薬理作用を含んでいます。エッセンシャルオイルの特徴を簡単にまとめていきましょう。
1,エッセンシャルオイルは揮発性で空気に触れると急速に蒸発します。
ただし、空気中に揮発する速度は個々のエッセンシャルオイルによって異ります。この揮発する速度は「トップノート、ミドルノート、ベースノート」という名称で呼ばれます。トップノートは分子量が軽いため早く香りを放ち、ベースノートは分子量が大きいためゆっくり揮発します。ミドルノートはその中間です。香りをブレンドする時にはトップ、ミドル、ベースをバランス良くブレンドすることで香りがより深くなり、長時間香りの効果を楽しむことができます。
2,エッセンシャルオイルは脂肪や油、純粋なアルコールには溶ける性質を持っています。
ただし水には溶けません。そのため、私達が体に対して使用する際には植物油や、無水アルコールに希釈してから使用することがほとんどです。スイートアーモンドやホホバオイルなどのキャリアオイルの他に、脂肪分である乳製品や、ハチミツなどにも溶けるので、保湿効果をプラスしたいという時には、これらを加えてスキンケア製品をつくることもできます。
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3,エッセンシャルオイルには200種類以上もの成分があります。
しかしながら全ての成分が解明されているわけではなく、そのうちの7割程度しか解明されていないと言われています。つまり天然だから必ずしも安全とはいいきれないため、使用法や適量を守って使用することが大切なポイントとなります。
<エッセンシャルオイルに含まれる成分の一部>
・アルコール → 殺菌力や消毒効果の高い
・アルデヒド → 抗ウィルス効果もあり精神的作用をもたらす
・エステル類 → 鎮痛、抗真菌作用のある
・ケトン類 → 毒性もある反面、粘膜の流動性を高めたり、痰作用のある。 など
4,抽出部位や成分内容の違いによって、含まれる成分の内容が異なります。
<例1> 抽出部位の違い
同じオレンジから抽出される精油には3つの種類があり、それぞれの特徴も異なります。
・果皮から抽出されたもの → オレンジ
・花から抽出されたもの → ネロリ
・茎や葉から抽出されたもの → プチグレン
これらの精油は抽出方法や内容成分も異なるため、異なる目的で使用されます。オレンジは圧搾法という方法を用いて果皮から抽出され、主成分はリモネンです。またオレンジにはビターとスイートの2種類がありますが、そのうちのビターオレンジには光毒性があります。対して、花から抽出されるネロリと茎や葉から抽出されたプチグレンは、水蒸気蒸留法で抽出され光毒性はありません。またこのネロリとプチグレンは主成分の40%程度がリナロールであり、香りが似ていることから高価なネロリの香りの代用品としてプチグレンが使用されることが多くあります。
※光毒性とは▶ベルガプテンという物質により皮膚に塗布した後に日光に当たると、シミや炎症などを起こす作用のこと
<例2> 成分内容の違い
一般的にローズマリーの効果として、肝臓への強壮作用が挙げられていますが、これはローズマリー・ベルベノン(学名;Rosmarinus officinalis ct. verbenone)の特徴です。ローズマリー・ベルベノンには肝臓の強壮によい酢酸ボルニルやベルベノンなどが多く含まれますが、ローズマリー・カンファー(学名;Rosmarinus officinalis ct. camphor)には、これらの成分は含まれず、肝臓に対しては悪影響を及ぼすカンファーを15〜20%と多く含むため、肝臓の強壮に有効とはいえません。このように同じローズマリーでも含まれる成分によって、全く異なる結果になることもあるため、商品名が「ローズマリー」のみであったり学術名の記載がないものに関しては十分に注意するようにしましょう。
体に使用する際に注意したいこと
1, 必ず希釈して使用する。例外として、ラベンダー、ティートリーは局部的であれば原液での使用も可能です。通常は1〜3%以内で希釈して使用します。
2,粘膜には使用しない。特に眼、内耳などへの使用は厳禁。
3,服用はしない。一部の国では医師の判断で内服をする場合もありますが、神経毒を含む精油や肝臓に支障をきたす場合もありますので、自己判断で飲むことはおすすめしません。
4,子供の手の届かないところに保管しましょう。
5,保管場所には気をつけましょう。精油は日光に当たると酸化しますので、直射日光の当たらない場所で保管してください。また開封してから長期間使用しなかったかった精油は成分内容が変化している場合があります。香りに違和感を感じた場合には、潔く処分してください。
6, エッセンシャルオイルの中には通経作用(生理を促す作用)のあるものもあります。妊娠中にエッセンシャルオイルを使用する際にはあらかじめ通経作用のないものを使用するようにしましょう。またいつもより皮膚も敏感になりやすいので、妊娠中に使用出来る精油であっても、まずは低濃度で試してみることをおすすめします。
7,100%ピュアなものを使用しましょう。エッセンシャルオイルの他にも、精油、アロマオイルなど様々な呼び方をされることがありますが、必ず天然100%のものを使用してください。近年では合成香料を使って、本物そっくりの香りを作り出すことは可能です。しかし含まれる科学成分は全く異るため合成の香りでは薬理効果は望めません。
エッセンシャルオイルの基本や本質的な部分を理解して、より効果的にアロマテラピーを楽しんでくださいね。
次回は精油の製造方法などについてお伝えしたいとおもいます。