アロマテラピーの基礎知識

ユーカリグローブルス

今回からスタートのする「アロマテラピーの基礎知識」第1回目はアロマテラピーの歴史とエッセンシャルオイルの主な働きについてお届けします。

歴史から紐解くアロマテラピーってなに?

アロマテラピーを日本語にすると「芳香療法」です。芳香という意味をもつ「アロマ」と療法「テラピー」が合わさったもので、アロマテラピーという言葉ができたのは20世紀に入ってからです。それ以前のアロマテラピーは主に神聖なものや神への捧げもの、または香油としてエジプトなどで使用されていました。
また古代イスラムでは錬金術の過程でバラを利用していたところ、バラから精油と芳香蒸留水が摂れるということを発見し、それが現在の水蒸気蒸留法に発展したと言われています。

アロマテラピーの名付け親は1920年代のフランス人の科学者「ルネ・モーリスガトフォッセ」ですが、ガトフォセが実験中の爆発事故でやけどをしてしまった際に、ラベンダーの精油をつけたところ跡も残さず、やけどが治ってしまったことから、その効果に感動しその後のアロマテラピーの研究に繋がりました。また同時にアロマテラピーの発展に貢献した人物にフランスの医師「ジャンバルネ」がいます。第2次世界大戦中は負傷兵が多く出たために薬が不足。そんな時ジャンバルネはクレゾールの10倍以上の殺菌効果があるラベンダーとティーツリーのエッセンシャルオイルを兵士たちに使用して治療を行い、エッセンシャルオイルを医療現場に初めて導入しましたジャン・バルネの臨床データは今もアロマテラピーの基礎となっています。

精油選びの基礎知識

ルネ・モーリスガトフォッセやジャンバルネ医師がエッセンシャルオイルを広めていった経緯から、フランスではメディカルアロマテラピーの概念が発展していきましたが、日本ではまだまだ医療と結びつくことも少なく、海外から輸入されているエッセンシャルオイルは雑貨のカテゴリーで輸入されており検査の基準がないため、医療の現場で使用するには不適切なものが多いのも事実です。販売されているエッセンシャルオイルの中には香りを早く揮発させるため、アルコールや合成の香料が混ざった粗悪品が販売されていることが多く、また最近の精油人気から原料となる植物が無理な方法で栽培されていることが大きな問題で、栄養のなくなった土壌や環境汚染された場所で農薬を使って大量に精油が作られているといった現状があります。しかし、このような精油では精油本来の効果を発揮することができません。

なぜなら精油は植物のエキスが濃縮されることにより効果を生み出していますが、農薬を使用した場合にも同じように農薬の成分が濃縮されてしまいます。つまり農薬の成分が何倍にも濃縮されることは、精油の効果以上に体にとって何倍もの悪影響を及ぼすこともあるからです。そういった精油はルネ・モーリスガトフォッセやジャンバルネ医師の時代の本来の精油の効果とは別のものと考えた方がよいでしょう。エッセンシャルオイルを選ぶ際には、混ざりもののない100%ピュアなもの、そして環境汚染されていないクリーンな土地で、農薬等を使用しない植物から採れたオーガニックまたはワイルドクラフトのものを選ぶ事が重要です。

エッセンシャルオイルはどうやって吸収されるの?

アロマテラピーは自律神経に作用しますが、私達は以下の様な流れで「嗅覚と触覚」からエッセンシャルオイルを身体にとり込みます。

① 嗅覚(鼻から)  → 香りを嗅ぐ(吸入) → 脳へ働きかける
② 触覚(皮膚から) → 浸透させる → 皮膚から全身へ

皮膚に精油を浸透させる行為のひとつにマッサージがあります。マッサージをすることによって血行が良くなり、皮脂とエッセンシャルオイルが混ざりあって毛穴や毛根から浸透しやすくなるので、エッセンシャルオイルの成分がより吸収しやすくなるというメリットがあります。

身体に対する精油の3つの働き

アロマテラピーには万能の効果があるのでしょうか?エッセンシャルオイルには植物のエネルギーを吸収し、本来のリズムに戻す働きがありますが、全ての精油に万能の効果がある訳ではありませんので、目的に合わせた精油を選んで使用することが大切です。ここではエッセンシャルオイルが体に作用する3つの働きとぴったりの精油をご紹介します。

1,免疫力をアップ
多くの精油には殺菌、抗ウィルス、免疫をアップさせる効果があります。人間が本来持っている免疫力を高めて風邪やインフルエンザなどにかかりにくくしたり、身体を本来のリズムに戻す働きがあります。

免疫アップの精油;ユーカリ、サンダルウッド、ティーツリー、レモンティーツリー、プチグレン、ミルラ、レモン、ニアウリ、ローズウッド、ラベンダー、ペパーミント、スィートマジョラム、オレガノなど

2,痛みの緩和
精油には鎮痛作用や、鎮痙作用、抗炎症作用などが、身体の痛みや痙攣、炎症を抑えてくれます。

鎮痛作用の精油;カモミールウィンターグリーン、メリッサ、マジョラム、パルマローザ、レモングラス、ブラックペッパー、クラリセージなど

3,気分をコントロール
エッセンシャルオイルの香りを嗅ぐと、芳香成分が脳の中の大脳辺縁系に伝わります。この大脳辺縁系は人間の基本の欲求である「食欲」「睡眠欲」「性欲」の他、怒り、喜び、悲しみなどの情動の他、記憶などをコントロールしています。香りを嗅ぐとリラックスした気分になったり、リフレッシュした気分になるのはそのためです。

心を元気に幸せ気分をアップする精油:グレープフルーツ、クラリセージ、ローズ、ジュニパー、レモングラス、ゼラニウム、ローズマリーなど

今日はアロマテラピーの歴史と、効果を得るための精油選びの大切さ、エッセンシャルオイルが身体に働きかける作用についてお話しました。
アロマテラピーの基礎知識2回目は精油の基礎知識についてです。お楽しみに!

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Miho編集スタッフ SHOP担当者

投稿者プロフィール

レシピとアロマ記事。アレルギーや慢性的な体の不調が改善された経験から「自然療法」にハマる。資格;調理師免許、アロマテラピー、CIDESCOエステティシャンetc…。マルチプレイヤーを目指して最近はNaturopathy SHOPのあれこれも担当しています。日々の経験から役立つ情報をお届けします!

◆Naturopathy SHOP 〜メディカルハーブ&アロマ〜
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