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【精油を安全に使用するために知っておくべきこと】成分から考える使用の注意「アロアテラピーの基礎知識 第4回」
【精油を安全に使用するために知っておくべきこと】成分から考える使用の注意
アロマテラピーを行うえで、まず頭に入れてほしいことはエッセンシャルオイルは万人に効くわけではないということです。また必ずしも「天然=安全」という図式は成り立たないことも心に留めておきましょう。内容成分や薬効を理解したうえで使用すれば効果をアップすることができる反面、場合によっては逆効果になったり、副作用を起こすこともあります。本日は主な精油の成分、安全に使用するための注意点、症状別に使用出来ないエッセンシャルオイルを以下にまとめてみましたので、精油選びの際の参考にしてみてください。
精油の成分分類 とその特徴
1, 炭化水素類
(1)モノテルペン炭化水素類 → リモネン、テルピネン、ピネンなど
抗菌、抗ウィルス、抗炎症、鎮痛、うっ血の除去などの作用があり、ビターオレンジ、グレープフルーツ、レモン、ベルガモットなどの柑橘系オイルに含まれています。中でもリモネンは非常に劣化しやすい性質を持っているため、長時間蓋を開けておくことはおすすめしません。
(2)セスキテルペン炭化水素類 → カマズレン、ビザボレン、アズレン、カリオフィレンなど
消炎、殺菌、抗アレルギー、抗ヒスタミン、抗ウィルスなどの作用がありカモミール・ジャーマン、ヤロウ、オレガノなどに含まれます。特にカモミール・ジャーマンの消炎、抗アレルギー作用はアトピーにも有効です。
2,アルコール類
(1)モノテルペンアルコール → リナロール、ゲラニオール、メントール、テルピネン4オールなど
殺菌、抗ウィルス、抗真菌、などの作用があり、ラベンダー、ペパーミント、ティートリーなどが有名です。
(2)セスキテルペンアルコール → ネロリドール、ビサボロール、サンタロール、セドロール、パチュリアルコールなど
殺菌、抗炎症、抗アレルギー、強壮、ホルモン様作用などの作用があり、シダーウッドアトラス、サンダルウッド、パチュリなどの精油があります。体への作用ではありませんが、深みのある香りを出すために香水のベースとなる精油が多いのも特徴です。
3,アルデヒド類
(1)テルペンアルデヒド → シトロネル、ネロールなど
抗真菌、抗感染、消炎などの作用があり、メリッサ、レモングラス、レモンユーカリ、シトロネラなどがありますが、熱などにより変化を起こしやすい性質を持っており、酸化するとカルボン酸に変化して皮膚への刺激を起こすことがあります。品質の低下を防ぐためには冷暗所できちんと蓋をして保管することをおすすめします。
4.エステル類 → 酢酸リナロル、サリチル酸メチルなど
鎮静作用、消炎作用、抗けいれん作用があり、ラベンダー、クラリセージ、プチグレン、ウィンターグルーンなどに含まれます。ウィンターグルーン以外のエステル類は穏やかな作用で毒性はありませんが、ウィンターグリーン(サリチル酸メチル)は鎮静作用が強い反面、毒性もあり誤飲した場合には死に至る場合もありますので、特に小さなお子様のいる家庭では注意が必要です。
5.オキサイド類 → 1.8シネオールなど
去痰、抗炎症、殺菌などがあり、特にユーカリ・ラディアタは1.8シネオールの含有量が多く、喉の痛み、鼻詰まり、呼吸器の症状に大変有効ですが、皮膚への刺激が強いため子どもへの使用は低濃度を心がける。他にローズマリーシネオールなど。
6,フェノール類 → チモール、カルバクロール、オノイゲール、サフロールなど
最も強い消毒、殺菌、抗ウィルス、免疫アップなどの作用がありますが、肝臓への毒性と皮膚刺激が強い為、使用は短期間にとどめ濃度を低くすることが重要です。また妊婦や子供への使用はしないようにしてください。オレガノ、クローブ、シナモン、タイムなどがあります。
7.ケトン類 → カンファー、ツヨシ、カルボンなど
粘液を溶解(去痰)作用、脂肪分解作用などがありますが、その反面神経に対して毒性があります。高濃度、内服、長期使用、妊婦や乳幼児への使用は避けてください。カンファー、セージ、ヒソップ、ローズマリー、ペパーミントなどがありますが、特にカンファーを含む精油には注意が必要です。
8.ラクトン類 → ベルガプテン、クマリンなど
この成分を含む精油を使用して日光に当たると、皮膚表面に炎症を引き起こしてシミの原因になる他、有害な紫外線から細胞を守るために生産されるメラニン細胞の生産を阻害してしまうため、皮膚がんのリスクを高めます。光毒性を避けるために皮膚に塗布した場合には4〜5時間、日光に当たらないように注意してください。代表的なものにベルガモットがありますが、中には光毒性のあるフクロマリンを除去したものもあり、それらの精油にはFCFの表示がされています。
エッセンシャルオイルを安全に使用するための注意
1,直射日光を避け冷暗所で保存する。
2,内服はしない。
3,皮膚に塗布する場合には原液で使用しない。(ラベンダー、ティートリーは局部的に原液での使用が可能) 使用前にはキャリアオイルで薄めてパッチテストを行うことがおすすめ。
4,妊娠中には通経作用や毒性のある精油は使用しない。また子供には使用できる精油であっても濃度を低くして使用する(0.5%濃度が目安)。
5.持病がある場合には、アロマテラピーに精通した医師に相談する。
6.合成香料やアルコールなどが添加されていない100%ピュアなもの。オーガニック(またはワイルドクラフト)な安全性の高い精油を選ぶ。
状況に応じて使用できないエッセンシャルオイルの事例
1,妊娠中
クラリセージ、ローズマリー、ジュニパー、マジョラム、フェンネル、バジル、ミルラ、タイム、セージ、オレガノ、クローブ、シナモン、カンファー、キャロットシード、レモングラス、アニスシード、ウィンターグリーン
2,乳幼児
カンファー、セージ、ヒソップ、ローズマリー、ペパーミント、オレガノ、クローブ、シナモン、タイム、ウィンターグリーン
3,高血圧
フェンネル、セージ、ローズマリー、タイム、ユーカリプタス
4,腎臓疾患
ジュニパー、ローズマリー、サイプレス
5,てんかん
フェンネル、ローズマリー、セージ、カンファー、ユーカリプタス、シダーウッド
あまり神経質になる必要はありませんが、自分の体が特に敏感になっている時や、小さなお子さんには注意して使用したいですね。またマッサージなどを通して、お客様にセラピーを行う方は特に注意してください。