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- 【アロマって本当に効果があるの?体と心に働きかけるメカニズム】アロマテラピーの基礎講座 第5回
【アロマって本当に効果があるの?体と心に働きかけるメカニズム】アロマテラピーの基礎講座 第5回
【アロマって本当に効果があるの?体と心に働きかけるメカニズム】アロマテラピーの基礎講座 第5回
アロマテラピーが体に働きかけるメカニズム
ある時、ふと嗅いだ香りで昔の記憶を思い出したり、気持ちが和らいだり、という経験はありませんか?それは全く偶然の出来事ではなく嗅覚と脳のメカニズムによるものなのです。また嗅覚が発達していることで、私達は毒や腐敗した食物などの危険から身を守ることができます。嗅覚は私達の本能の部分に深くかかわる重要なシステムであり、エッセンシャルオイルが体に働きかけるシステムに大きく関わっています。
香りが取り込まれる3つのルート
エッセンシャルオイルの成分は主に3つのルートで体に取り込まれます。
2、呼吸から → 血液 → 全身へ
3、皮膚から → 血液 → 全身へ
1,鼻から入った香りが脳に伝わるメカニズムは
エッセンシャルオイルの香りを嗅ぐと香りの芳香分子が鼻から入り、鼻の奥にある嗅上皮に届きます。嗅細胞にある嗅毛が芳香分子をキャッチし、嗅細胞に送ります。嗅細胞ではこの芳香分子を電気信号に変換し、嗅神経を通して、脳の大脳辺縁系に伝えられます。大脳辺縁系では「嗅球」を通り「視床下部、海馬、扁桃体」という部分に届きます。
大脳辺縁系は「古い脳」とも呼ばれ食欲や性欲、睡眠などの人間の本能的な部分や感情、記憶を司っています。
・視床下部 → ・自律神経、ホルモン系、免疫系
・扁桃体 → 情動
・海馬 → 記憶
香りを嗅いだ時に、ふと昔の記憶が蘇ったり、気持ちに変化が起こるのは扁桃体と海馬が嗅神経と直結しているためです。精油の効能の部分で気分をアップさせる、鎮静させる、またはホルモンのバランスを整える、免疫アップなどの説明が書かれているのは精油の科学成分が、脳に直接働きかけることで気持ちやホルモンの調整に結びついているからということがおわかりいただけましたでしょうか?
2,呼吸から取り込まれるメカニズムは?
◆ 呼吸器から吸入する→ 気道を通る → 胚から肺胞へ → 肺胞から血液にのり全身を巡る(臓器や組織、視床下部へ)
3,皮膚から取り込まれるメカニズムは?
◆ 皮膚に精油を塗布 → 毛穴や毛根から血液が浸透 → 血液にのり全身を巡る(臓器や組織、視床下部へ)
マッサージなどを行って、皮膚からエッセンシャルオイルを吸収させる利点は血液循環を促して、筋肉の痛みの原因となる乳酸や老廃物を排出させる他に、皮膚へのタッチを行うことで疲労やストレス、緊張を解きほぐす、などのリラクゼーション効果が加わることもあります。こういった意味でも筋肉痛や、むくみ、緊張による心身の疲労にはエッセンシャルオイルを使用したマッサージが適しています。一方、やる気、集中力のアップ、気分を上げるなど、気持ちの変化がより早く欲しい時には香りを嗅ぐ行為が適しています。このように精油を選ぶ時には、目的にあわせて使用方法を選択することで、より効果を上げることもできます。
今日はアロマテラピーを行うことで起こる効果は偶然でなく、体のメカニズムと深く関わっていることについてお話しました。次回アロマテラピーの基礎知識6回目もお楽しみに!