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ローズマリーで冬の風邪対策!ほっこりハーブのハンドクリーム作り
ローズマリーで冬の風邪対策!ほっこりハーブのハンドクリーム作り
■気温が下がると、免疫力も下がることをご存知ですか?
猛暑の夏から一変、秋を一瞬で通り越したような寒さが続き、気がつけば11月。寒さで体調を崩している方も、多いのではないでしょうか?
体調を崩してしまう原因は、気温とともに下がる私たちの体温です。37℃前後で、働きが活発になる体内の免疫は、体温の低下とともに衰え、それまで保たれていた体内環境が一気に崩れ、ウイルスが体内に侵入しやすくなり、風邪をひきやすくなってしまいます。とはいえ、仕事は休めないし、元気に家事もこなしたいのが現実ですよね。
■植物には、あらかじめ抗菌機能が備わっている!?
植物がなぜ精油を作り出すのでしょうか?諸説あるようですが、植物は人間のように食事をしたり、そこから動くこともできません。一生を土の上で過ごすには、外敵やウイルス、乾燥や傷から自分の身を守らないといけませんよね。その身を守る成分として出来上がったのが「精油」。
私たち人間は、その植物に備わっている香り成分(=精油)を使って、リフレッシュしたり、リラッックスしたり、幸せな気持ちなったりと様々なシーンで使用していますが、風邪の季節にも精油は役立ちます。今回は、植物の持つ、抗ウイルス・抗菌作用に着目して、街のレストランでも使われる馴染みのあるハーブを使った、ハンドクリーム作りをご紹介いたします!
材料と準備するもの
-ほっこりハーブのハンドクリーム 46g分-
<基材>
♥ ホホバオイル(クリア) 10g
♥ シアバター 2gl
♥ パーム乳化ワックス 2g
♥ ミツロウ(精製) 2g
♥ 精製水30ml
<精油>
♥ ローズマリー・ベルベノン精油 4滴
♥ タイム精油 2滴
♥ レモングラス精油 1滴
♥ オレンジ精油 3滴
<道具>
♥ はかり
♥ ビーカー 100mlサイズ ×2個
♥ ラップ
♥ 電動ホイッパー(食用と一緒にしない)
♥ ミニヘラ
♥ 湯煎器具
♥ 50ml ガラスクリーム容器(遮光)
♥ ラベルシール
作り方
1. 100mlビーカーに♥を入れ、ラップをする。(A)
2. 別のビーカーに精製水を入れ、ラップをする。(B)
3. (A)と(B)を湯煎にかける。(※やけどに注意)
4. (A)が全て溶けたら、そのまま2〜3分湯煎にかけて、ミニヘラでよくなじませる。
5. (A)と(B)を湯煎から取り出して、熱いうちに(A)を(B)に少しずつ加えながら、電動ホイッパーで2〜3分混ぜる。全体がなじんできたら、さらに全体がなじむまで2〜3分混ぜる。
6. クリーム状になってきたら精油をローズマリー・ベルベノン→タイム→レモングラス→オレンジの順で加えて、ミニヘラでムラのないように全体をよく混ぜる。
7. 50mlのガラスクリーム容器にミニヘラで移し入れて、日付と内容を記入したラベルシールを貼って完成!
※柑橘系の香りは揮発性が高いので、ブレンドの際には最後に入れるのがおすすめですよ。
♦ ローズマリー・ベルベノン エッセンシャルオイル
シソ科。スーッとするハーブ系。ローズマリーの中でも優しく、フレッシュで心地よい香り。
ローズマリーは、ラテン語で「海の雫」という意味を持ち、14世紀、ハンガリーの女王エリザベート1世がローズマリー主成分の水を化粧水として使ったところ、いつまでも若々しさを保ち、持病の右手の痛みも無くなったという逸話があります。
ローズマリーには主に3種類のケモタイプ(=育った環境によって成分が違うこと)があり、
① 香りが穏やかでローズマリーの中でも優しいベルベノン
② 刺激が少なく、すっきりとした印象のシネオール
③ 刺激的でシャープな香りで筋肉痛緩和やスポーツケアにオススメのカンファー
があります。今回は①のローズマリー・ベルベノンを使ったブレンドをお楽しみいただければと思います。
ベルベノンは、殺菌消毒作用の強い、α―ピネンが25〜35%程度含まれており、過剰に分泌された粘液を溶解するので、呼吸器ケア、風邪の初期症状やカタル症状にも役立ちます。無添加ハンドソープに入れると、抗菌ハンドソープに。シャンプーに加えるとフケや脱毛防止にも◎ 血流促進作用もあるので、冷え性で困っている方は足浴や手浴でリラックスしましょう。じんわりと温まり10分後には背中に汗をかく感覚も。
♦ タイム エッセンシャルオイル
シソ科。スパイスでおなじみのタイムは、「勇気」という意味を持ち、消毒作用はとてもパワフル。ストレスや不安を和らげてくれる香りでもあります。
特に抗菌作用には優れており、気管支系の痛みや炎症を和らげたり、免疫力を高めて感染症を予防するのに役立ちますよ。また、ドライハーブを煮出して、濃いタイムハーブティでうがいをすると感染症予防に。ハーブティーとして飲むと、消化を助けてくれますよ。利尿効果もあるので膀胱炎にも役立つという優れもの。また、冬に気分か落ち込んでしまうとき、精神的にも肉体的にも活力を与えてくれる香りなので、芳香浴だけではなく、アロマバスとしても非常に役立ちます。他のシソ科とのブレンドや柑橘系との相性がとても良いので、ブレンド初心者でも楽しめる精油ですね。
♦ レモングラス エッセンシャルオイル
イネ科。トムヤムクンでおなじみのスパイスハーブ。レモンによく似たフレッシュで爽やかな香りは、嗅ぐだけで元気が出てきますね。レモン同様リモネンが含まれており、強力な殺菌作用が空気に働きかけてくれるので、冬のお守りアロマとしても大活躍!
また、消化を助け、胃腸の炎症を鎮める作用もあり、海鮮料理の多いタイ料理には欠かせません。太陽のようなエネルギーたっぷりのレモングラスは、暑さにとても強く、古くからインドでも愛されてきました。現地では「チューマナブールー」と呼ばれ、熱を下げ、感染症を予防するハーブとして知られ、疲労感や不安感を和らげる他、ストレス解消にも◎
♦ オレンジ エッセンシャルオイル
ミカン科。果実そのままの甘く優しい、ホッとするような香り。主成分であるリモネンには抗菌、抗ウイルス作用があり、空気を丸ごと浄化してくれるので風邪の季節にはぴったり!
血流促進効果もあり、体の中心が冷える冷え性や、部分的な火照りのある女性には特にオススメ。パニック症状や、気分の落ち込みがあるとき、不安やぶつけようのないイライラにも効果があるとされ、仕事熱心で完璧主義な人や、一方的に決めつけてしまう人、自己肯定感が持てないときに、心を優しく包み込んでくれるような香りです。
特に季節の変わり目は、肌トラブルも多く、手元の乾燥が気になりますよね。オレンジは、皮脂分泌の調整を助けるので、正にハンドケア向きの精油と言えます。また、収れん作用(=引き締め)のある精油(例えば、サンダルウッド、フランキンセンス、グレープフルーツ、ゼラニウムなど)とブレンドすることでセルライトの予防にも役立ちます。ぜひ、お試しくださいね!
注意点
◇オレンジには低い光毒性がありますので、高濃度での使用はお控えください。
◇それに伴い、直射日光は避けましょう。
◇食べ物にはかからないようにしてください。
◇万が一、目に入った場合は綺麗な水で洗い流してください。
◇異変があった場合は医師にかかりましょう。