【精油：ラベンダー】～精油界のスーパースター！1本は持っておきたい万能選手～

精油にそれほど親しんでいない方でもラベンダーは耳にした事があるでしょう。世界中で最も使われている人気の高い精油です。ラベンダーは長い歴史を持っており、その効能は既に紀元前に知られていました。古代エジプトではミイラ作りにラベンダーが使われ、1923年にツタンカーメンのお墓が掘り起こされた時には、3000年の時を超えラベンダーの香りがしたと言われています。

もう一つ、ラベンダーに関する有名な逸話があります。フランスのルネ・モーリス・ガットフォッセという化学者が、研究室で手に酷い火傷を負ってしまったのですが、その時とっさに近くにあったラベンダーの精油に手を突っ込んだところ、痛みが緩和されただけでなく、感染や傷痕もなく完治したというのです。その後彼は精油の持つ力に大変興味を抱き、その発展に大きく寄与しました。そして1937年、ガットフォッセによりアロマセラピーという言葉が誕生したのです。

ラベンダーというと、南フランス産と思い起こす方も多いと思いますが、現在はニュージーランド、北カリフォルニア、インドなど世界中様々な地域で栽培されています。種類も大変多く、栽培地も違えば、香りや質、効能にも差が出てくるのですが、一般的には甘くソフトでフローラルな香りがします。

セラピーとして利用する場合は

ミイラ作りには防虫効果が目的だったようですが、ラベンダーは鎮静、鎮痛、ホルモンや自律神経のバランス調整、抗炎症、火傷や傷の治療、抗菌、抗ウイルス、抗真菌など多様な効果を持つ万能選手です。

ラベンダーは大変優しい精油なので少量であれば皮膚に直接つける事ができます。リラックス効果が高く、気持ちが昂った時、また不安な時には心を静めて安らぎを与え、良い睡眠にも導いてくれます。抗菌、抗炎症、抗酸化などの働きは、傷や火傷の他、ニキビやシミ、アレルギーによる皮膚トラブルにも効果を発揮します。新しい研究では、糖尿病の治療にも役立つのではないかと言われています。

オイルの詳細

学名：　Lavandula angustifolia
科名：　シソ科
抽出法：　水蒸気蒸留法
抽出部位：　花
主な科学成分：　酢酸リナリル、リナロール、β-カリオフィレン、酢酸ラバンジュリル、ターピン-4－オール、など。

ブレンドガイド

ノート：　トップ～ミドルノート
相性のよいオイル：ベルガモット、グレープフルーツなどの柑橘系精油、ローズマリー、パチュリー、クラリセージ、パイン、パルマローザ、ジュニパー、ペパーミント、レモングラスなど。

おすすめの使用法

・吸入：コットンや清潔なガーゼに数滴落として吸い込みます。ラベンダーは大変優しいので、直接手のひらに1~2滴落とし、両手をよく擦り合わせて鼻に持っていくのも良いでしょう。イライラしたり、不安な時、また気分が詰まったような時におすすめです。緊張をほぐし気分を落ち着かせてくれます。

・ディフューザーで：鎮静作用の高い精油なので、神経の疲れ、疲労、ストレスが溜まって気分や体調が優れない時などにおすすめです。お子さんが興奮している時にも試してみてください。お子さんにとっても、親にとっても気分が安らぎ、空間が穏やかになるでしょう。またベッドルームで焚くと、深い眠りを導き、疲労回復にも効果的です。

・マッサージ：お気に入りのキャリアオイルとブレンドして、全身や患部をマッサージします。首、肩、背中など緊張を解して、体も心もリラックスできます。

・火傷に：火傷には冷やした後に直接塗布するか、ラベンダーを数滴垂らした氷水のボウルにタオルを浸し、患部に当てます。

・スキンケア：無香料のフェイシャルクリームに少量を足して使います。ヘリクリサムやローズを足すとお肌ももっと喜ぶでしょう。

・バスタイム：バスタブに数滴落としてから入浴します。身も心もリラックスして、一日の疲れを癒してくれます。ローマンカモミールを加えると一層効果的です。

・エアフレッシュナー：スプレーボトルに蒸留水を入れ、ラベンダーを加えます。空間はもちろん、入浴前にはバスタオルに、寝る前には枕やシーツにスプレーしておくと良いでしょう。

注意点

安全性の高い精油ですが、服用はしないでください。また妊娠初期の方のご使用はお控えください。混ぜ物をしたものが多く出回っていますので、品質を確認してからご購入ください。