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- 【スリッパリーエルム】~米国食品医薬品局が認めた定番のハーブ~

【スリッパリーエルム】~米国食品医薬品局が認めた定番のハーブ~
日本名はアカニレといい、アメリカ及びカナダの東部が原産のニレ科の樹木です。約2メートルの高さに成長し、10~18 cm位のギザギザがある葉を持ち、薬効がある樹皮の内側はピンク色しています。昔、アメリカの先住民はこのスリッパリーエルムの樹皮を煎じて食料として利用していました。現在のオートミールくらいの栄養価があり特に病気で食欲のない子供や老人にはとてもよい栄養食で、後にヨーロッパから入植した人々も同じように食料として利用した記録が残っています。
アメリカの先住民はこのスリッパリーエルムを食糧として利用する以外、何世紀にもわたって口や喉、胃、および腸の炎症を癒すハーブとして、また、樹皮の粘液質成分から作った軟膏は火傷や切り傷、皮膚の潰瘍などを治すために使い、1,700年代後半のアメリカでは銃弾によるケガを治療する代表的な治療薬になっていました。そして、19世紀ころの医師にはハンセン病、肺炎などの肺感染症、サナダムシ、発疹、梅毒の治療薬として広く利用され、最近では心を落ち着かせる作用と同時に、喉、胃、および腸の炎症を癒すのに役立つという事で米国食品医薬品局(FDA)にも承認されるアメリカで定番のハーブになっています。更に、近年このスリッパリーエルムが胃食道逆流症(GERD)、クローン病、潰瘍性大腸炎にも効果があるのではないかとハーブを扱う自然療法医は考えています。
効能と効果
♦ 喉の痛み
♦ 咳
♦ 炎症やかゆみの緩和
♦ 胸焼け
一般的には喉の痛み、消化管などの炎症の緩和、毒素の排泄などに効果があるといわれています。樹皮の内側の粘着質の物質には体の組織を癒す性質があり、鎮痛、去痰、利尿、抗菌作用の他、抗生物質に似た働きが確認されていて、更に、スリッパリーエルムの粘着質成分には、臓器、リンパ腺、神経系などに蓄積された毒素を分解し排出する働きがあり、他にも、鎮痛効果による関節炎の緩和、胃腸の消化不良、胃炎などにとても効果的です。
使い方
お茶の場合、小さじ1から2杯の粉末の樹皮を1カップのお湯で5分間煮出したものを1日2から3回飲む。