【ヤドリギ】 ~ 昔も今もヨーロッパで信頼されているハーブ 〜

ヤドリギには健康効果が沢山

ナイトタイムフラワー

【ヤドリギ】 ~ 昔も今もヨーロッパで信頼されているハーブ 〜

あちらこちらでクリスマスソングを耳にする季節になりましたね。ジャクソン5の「ママがサンタにキスをした」はそんな定番クリスマスソングのひとつ。まだあどけない少年のマイケル・ジャクソンが伸びやかにこう歌います── I saw Mommy kissing Santa Claus, Underneath the mistletoe last night (昨晩ママがヤドリギの下でサンタ・クロースにキスをするのを見ちゃった) ── 。

ヤドリギはクリスマスの装飾にも

このようにヤドリギ(mistletoe)はクリスマスの季語のような存在。アメリカではクリスマスの装飾に用いられることの多い植物です。一方、ヨーロッパでは古くから万能薬草として利用されてきたハーブで、現在ヤドリギエキスはがん患者に最もよく処方される薬のひとつです。

植物としてのヤドリギは、おいしいとこどりする(大家にとっては厄介な)居候のようなもの?

日本でヤドリギ、英語圏ではミスルトゥ(mistletoe)と呼ばれていますが、一口にヤドリギと言っても、世界の温暖地域に広く分布し、73属900種以上もあります。漢字で「寄生木(又は宿り木)」と書くように、ヤドリギはリンゴ、ポプラ、樫、松、楡などの樹木に寄生し、宿主の養分や水分を“無断拝借”して繁茂します。一方、自身が持つ葉緑素で光合成を行うことから、半寄生植物とされます。稀に養分を横取りされた宿主の枝が枯れてしまうこともあり、ヤドリギは装飾用・観賞用としては素敵でも、宿主の木にとっては厄介な存在なのかもしれません。

ヤドリギは他の木に寄生する

伝統療法におけるヤドリギ

ハーブの世界でヤドリギという場合、主にヨーロッパ種のセイヨウヤドリギ(学名 Viscum album)のことを指します。ヨーロッパにおいて、ヤドリギは何世紀にもわたり、神経症(不安症、ひきつけ、ヒステリー等)をはじめ、神経痛、頭痛、高血圧、関節炎、皮膚トラブル、発熱、不妊症、心臓病等、様々な症状の治療に使用されてきました。

ヤドリギに含まれる有効成分

ヤドリギの種類、そしてヤドリギが寄生する宿主によって成分や割合は異なるようですが、レクチン、ビスコトキシン、生体アミン、フラボノイド、アルカロイド、ポリペプチド、アルギニン、多糖類、タンニン、テルペノイド、配糖体、没食子酸、粘液などの存在が確認されています。これらのフィトケミカルを含むヤドリギは、抗酸化、抗炎症、抗菌、鎮静、鎮痛、免疫促進など様々な作用を有します。
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ヨーロッパではがん治療の補完代替療法として処方されるヤドリギエキス(抽出液)

ヤドリギは抗がん作用が期待できるハーブとして幅広く研究が行われており、臨床試験の多くはヨーロッパで実施されています。そして、実際にヤドギリエキスは、がん治療の補助的な療法として、ドイツを始めヨーロッパ諸国でがん患者に最もよく処方されています。この療法ではヤドリギエキスを皮下注射によって投与するのが一般的ですが、点滴や経口摂取という方法もあるようです。

ヤドリギエキスはガン予防に効果的

生で未加工のヤドリギは有毒物質を含み、深刻な副作用を引き起こす可能性がありますが、がん補完代替療法の薬剤として処方され、医師の監視下で使用されるヤドリギエキスは、安全とされています。

次項で述べるように、複数の研究や臨床試験ではヤドリギエキスのがんに対する有効性が示されていますが、今後のさらなる研究や臨床数、データが必要とされています。

ヤドリギの効果・効能

がん予防への期待
複数の研究により、ヤドリギはアポトーシス(がん細胞の自然死)を誘導し、がん細胞増殖を阻止することが示されています。これはヤドリギに含まれるレクチンやビスコトキシンなどの物質が、がん細胞のアポトーシスや免疫活性を促進するためと考えられます。

ヤドリギはガン予防に効果的

また、従来の抗がん治療とヤドリギエキス補完代替療法を併用することで、化学療法や放射線療法による副作用(しびれ、吐き気、脱毛など)、そして精神面への影響(疲労、うつ症状)の軽減が確認されています。さらに、血球数の改善もみられました。

このようなことが、ヤドリギが腫瘍縮小や症状緩和、がん患者のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)の向上に寄与するハーブとして期待される所以なのです。

心血管機能の健康に
マウスやラットを用いた複数の研究で、ヤドリギは降圧作用と血管弛緩作用を有することが示されています。血管や動脈の緊張を緩和し、心血管のストレスレベルを下げることで、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞の予防が可能になります。

風邪や咳、喘息などの呼吸器トラブルにも

ヤドリギは風邪に効果的

抗酸化、抗炎症、鎮痛、免疫促進などの作用をもつヤドリギは、風邪、喉の痛み、気管支炎の予防や症状緩和に役立ちます。また、喘息の発作は、時に精神的ストレスやパニックが引き金となることがありますが、神経を鎮めるハーブとして古くから利用されてきたヤドリギが心身の刺激を和らげ、喘息の苦痛を取り除きます。

質の良い眠りをもたらす
鎮静作用を有するヤドリギのハーブティーは、リラックス効果と穏やかな睡眠をもたらします。また呼吸障害を緩和し、いびきの改善も期待できます!

外用薬としても
ヤドリギは内服・外用が可能なハーブです。ヤドリギを入浴剤として使ったり皮膚に塗布すると、湿疹などの皮膚トラブルが改善します。また鎮痛作用があるため、関節痛や神経痛の患部にヤドリギチンキを擦り込むと痛みが和らぎます。

使い方

前述のように、ヨーロッパでは、ヤドリギエキスはがん治療のために処方される等、とても身近なハーブのひとつです。一方、アメリカでは、ヤドリギエキスはがんを含むあらゆる疾病の治療薬としては未承認ですが、ヤドリギを原料としたドライハーブ、チンキ、カプセルなどのサプリメントで摂取できます。

ヤドリギをドライハーブで摂取

ヤドリギのドライハーブでハーブティーを作る時、熱湯で入れるとヤドリギに含まれる一部有効成分が破壊されてしまう恐れがあります。緑茶を入れる時のように熱湯を少し冷ましてからお使いください。

注意点

妊娠中や授乳中の方、健康上の問題や服用中のお薬がある方は、摂取をお控えください。

生で未加工のヤドリギは有毒で深刻な副作用を引き起こすことがあります。必ず信頼できる医師やハーバリスト、専門店から入手し、指示された使用方法を守ってください。
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Reference:
PLoS One. 2015; 10(8): e0133892.Published online 2015 Aug 5. doi: 10.1371/journal.pone.0133892
Anatol J Cardiol. 2016 Dec; 16(12): 923–930.
Pub o/l 2016 Jun 29. doi: 10.14744/AnatolJCardiol.2016.6780
Biochem Res Int. 2011;2011:159439. doi: 10.1155/2011/159439. Epub 2011 Sep 12.
J Ethnopharmacol. 1994 Jun;43(1):13-7.
J Endocrinol. 1999 Mar;160(3):409-14.

Nobuko

Nobukoライター

投稿者プロフィール

最近、脱・白髪染め宣言をしたアラフィフ女。 日常の食生活に様々なスーパーフードを取り入れながら、身体の中からのエイジングケアに取り組んでいます。   
〔ほぼ日課〕 ヴィーガンの夫と共に、オーガニックストアやヘルシーレストランをチェックすること
〔好きな物〕 オーガニック&ナチュラル&アロマ関連アイテム / あんぱん・和菓子 / 昭和のドラマ

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