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グルタチオン

【パーキンソン病】 ~QOLの向上を目指して~

手足の震えや筋肉のこわばり等、運動機能に障害が現れるパーキンソン病。何年もかけてゆっくり進行する神経変性疾患です。1817年に英国のJ.パーキンソン医師によって初めて報告されてから200年余り経った今なお原因ははっきり解明されておらず、確実な治療法は確立されていません。

現状

神経変性疾患としては、アルツハイマー病に次いで2番目に有病率が高いパーキンソン病。世界で1千万人以上が罹患していると言われ、アメリカでも毎年6万人がパーキンソン病と診断されています。性別・人種・地域による有病率の差はあまり見られません。一方、加齢と有病率は比例しており、特に50〜60代以降に発症しやすいことが確認されています。世界的に平均寿命が伸び続ける中、パーキンソン病有病率も増加傾向にあります。

根本的な治療法がなく、症状の進行を遅らせるための治療やケアが中心となっている現在、世界中でさらなる研究や臨床試験が続いています。日本ではiPS細胞を用いた治療法の研究が注目を集めていますね。

徴候や症状

パーキンソン病の症状や進行度には個人差がありますが、以下の4つの運動症状は共通して見られます。

  • 安静時の震え(手足、顔、顎など)
  • 筋肉の固縮(体幹や手足の筋肉がこわばり、身体がスムーズに動かなくなる)
  • 動作の緩慢(動作が少なくなったり遅くなったりする)
  • 姿勢反射障害(バランスを崩しやすい、転倒しやすい)

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上記以外に、歩行障害、嚥下障害、睡眠障害、言語障害、嗅覚障害、便秘、排尿障害、性機能不全、うつ症状、幻視・幻覚、認知障害など、様々な症状が挙げられます。

ドーパミンの減少

多くの研究者の間では、パーキンソン病は中脳の黒質で作られるドーパミンが減少することによって起こると考えられています。ドーパミンとは運動機能、学習、意欲、情動など、心身にとって重要な働きを司る神経伝達物質。ドーパミンの減少により、脳から全身の筋肉に運動の指令が伝わらなくなるため、身体がスムーズに動かなくなってしまうのです。

発症のリスク要因

  • 加齢
  • 遺伝的因子の関与
  • 偏食、栄養欠乏、食物アレルギー、不健康な生活習慣
  • ミトコンドリアの損傷:細胞内のミトコンドリアは成長や生存のためのエネルギーを作り出す存在。有害物質などによって損傷したミトコンドリアはフリーラジカルを多量に放出します。このフリーラジカルがさらに他の細胞にも影響を及ぼすというドミノ効果により、ドーパミン作動性ニューロン(神経細胞)も破壊され、ドーパミンが減少してしまいます。
  • 有害物質:農薬、殺虫剤、工業化学物質、重金属などの有害物質に長期間曝露していたり、このような有害物質に汚染された土地の井戸水を飲水することは、ミトコンドリアの損傷につながります。
  • 炎症: 炎症も神経細胞にダメージを与え、神経変性疾患に至らしめる原因のひとつとされています。

治療法

薬の内服による治療が一般的です。この薬物療法には、ドーパミン産生を促す薬、ドーパミンを補充する薬などがあります。症状の安定化や進行の遅延を図るという点において、この薬物療法は大変有効な手段です。その一方で、服用量の増加、長期使用による副作用や効果の低下などが懸念されます。

薬物療法で効果が得られない場合、外科手術を行うこともあります。主に行われている手術は、脳深部刺激療法(Deep Brain Stimulation / DBS)というもので、脳の奥に電極を挿入し、脳を電気刺激することで運動機能障害を改善します。薬物療法とDBSの併用治療によって、薬の服用量を減らしたり、精神症状の改善をもたらすことができるとの研究報告もあります。但し、DBSは不快感や感染リスク、そして定期的に電池の交換も必要となるため、心身への負担が大きいのが難点です。

治療を続けながらQOLの向上を目指すこと

完治が困難とされるこの疾病とは末長く、そして「うまくお付き合いをする」ことが必要となります。どうしたらよいでしょう?従来の薬物療法に、身体に良い食事や習慣を加えることで、心身の負担は軽減され、QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の向上が可能になるという考え方が、現在広がりつつあります。

こんな実例があります。52歳の時にパーキンソン病と診断されたある女性:薬物療法を続けつつ、鍼療法、食事療法、サプリメント、運動を取り入れて、この難病と付き合ってきました。13年経過した現在、症状は診断時とほぼ変わることなく、今もカンザス郊外でキッチンデザイナーの仕事を楽しんでいます。

パーキンソン病に対する自然療法的アプローチ

積極的に摂りたい食品

無農薬・オーガニックな自然食品を摂ることが何よりも重要です。抗酸化作用や抗炎症作用のある食品を積極的に摂り、炎症や酸化ストレスから脳や神経を守りましょう。

オメガ3不飽和脂肪酸
抗炎症作用をもつことでおなじみのオメガ3不飽和脂肪酸は、脳内でドーパミンを増やす効果もあります。オメガ3不飽和脂肪酸は、鮭や鯖など脂肪の多い魚、ナッツ類、シード類などに豊富に含まれています。

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良質な脂質
脂肪の多い魚、アボカド、ココナッツ、グラスフェッドバター、くるみ、亜麻仁(フラックスシード)などに含まれる脂質は、神経系の健康をサポートし、心を落ち着かせる効果があります。

コールドプレス(低温圧搾)製法で抽出された油
オリーブオイルには強い抗酸化作用を持つビタミンEが含まれています。ココナッツオイルやパームオイルも抗炎症作用を有しています。

食物繊維
パーキンソン病の患者はどうしても便秘がちです。食物繊維と水分を積極的に摂取し、便秘を改善しましょう。

生野菜や果物
抗酸化物質を豊富に含むフレッシュな野菜や果物は、炎症の抑制にも有効です。野菜ジュースにすればビタミンやミネラルだけでなく、水分を十分に補給できるので、便秘対策にもなります。

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緑茶
緑茶には、抗酸化物質(ポリフェノール)がたっぷり。さらに、緑茶に含まれるテアニンは脳内のドーパミン値を上昇させる作用があります。

パーキンソン病の症状を悪化させる食品(=避けるべき食品)
高タンパク質、加工食品、人工甘味料や過剰な糖類、アルコールはパーキンソン病の症状を悪化させます。

サプリメント

グルタチオン
抗酸化物質の中でも強い抗酸化作用を持つことで知られているグルタチオンは、脳の神経細胞を酸化ストレスから守る重要な役割を担っています。ところが、パーキンソン病患者の脳内ではグルタチオン欠乏が多くみられます。このため、グルタチオンの補充は、症状の安定または改善をもたらすと考えらます。

コエンザイムQ10 (CoQ10)
抗酸化物質であるCoQ10には、ミトコンドリアの機能を改善する働きがあります。複数の研究で、CoQ10がパーキンソン病の進行を劇的に遅延させることが報告されています。

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ピロロキノリンキノン(PQQ)
強い抗酸化力を持つPQQは、ミトコンドリアを増やす働きも有しています。

フォスホチジルコリン
神経細胞膜の保護や修復には、フォスホチジルコリンが有効です。

70925410■フォスホチジルコリン 100錠
自閉症、多動注意欠陥障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、パーキンソン病、アルツハイマー、多発性硬化症(MS)、などの神経障害は神経細胞の細胞膜へのダメージもしくは炎症により引き起こされます。ダメージを受けた細胞膜はフォスホチジルコリンを使って修復し、症状の改善が期待されます。 https://usa-dr-supple.shop-pro.jp/?pid=38717289

 

チロシン、フェニルアラニン
ドーパミンの前駆体であるアミノ酸のチロシンやフェニルアラニンのサプリメントも、ドーパミン補強の助っ人になります。

グリーンパウダー

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スピルリナ、クロレラ、ウィートグラス(小麦若葉)などのグリーンパウダーを摂取すると、必要なミネラルを補給できるだけでなく、体内に取り込まれた有毒物質の除去(解毒作用)も期待できます。

魚油/オメガ3不飽和脂肪酸
抗炎症作用を持つ魚油(オメガ3不飽和脂肪酸)は、神経系の健康もサポートします。

ビタミンD
骨の健康を保つには、カルシウムビタミンDを十分に摂ることが大切です。

運動

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身体がスムーズに動かなくなるのはパーキンソン病の特徴のひとつですが、症状や進行度に応じた軽度の運動を取り入れることによって、筋肉の硬直の進行を遅らせることができます。また、運動は神経細胞の活性化を促します。太極拳、気功、ヨガ、ピラティスなどは、平衡感覚や筋肉の強靭性だけでなく、心を落ち着かせるという効果をもたらします。

鍼療法

筋肉の緊張や痛みの緩和、不眠に対しても効果大の鍼療法。近年の研究で、鍼施術によって酸化ストレスが軽減できる可能性も示されています。

注意点

パーキンソン病の症状や進行度が個人によって異なるのと同じく、治療効果も個人差があります。長い年月をかけて徐々に進行していく慢性の難病ですので、治療法については医師や専門家と十分に話し合いを行ってください。
オメガ3 DHA, EPA

Nobuko

Nobukoライター

投稿者プロフィール

最近、脱・白髪染め宣言をしたアラフィフ女。 日常の食生活に様々なスーパーフードを取り入れながら、身体の中からのエイジングケアに取り組んでいます。   
〔ほぼ日課〕 ヴィーガンの夫と共に、オーガニックストアやヘルシーレストランをチェックすること
〔好きな物〕 オーガニック&ナチュラル&アロマ関連アイテム / あんぱん・和菓子 / 昭和のドラマ

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